感情を受け止めてもらえるという安心感

いい子に育てよう、イイコにならなくちゃ、という
親子関係が利害でなりたっているケースが
相変わらずに少なくない。





イイ子というのは大抵、親の手を煩わせない
感情を訴えてこない子供のことを指すのだと思う。
つまり、親の言うことに逆らわないで聞き分けの”イイ子”が
イイコと評価されるための重要な用件なのだ。



でも、人間には感情があります。誰でも。
大人だろうが赤ちゃんだろうが。



それはプラスの感情もあるしマイナスの感情だってある。
それなのに、マイナスの感情を感じて
それを表現すると怒られる、表現することを否定される。





一番大切な人にさえ
マイナスの感情を否定されてしまった子供は
抑圧という方法を覚えてしまう。



存在しているマイナス感情だって
自分が感じていなければ、その存在はないことにできる。




人間の身体にはそんな防衛機制が働くしくみが
組み込まれている。
生きていくために。




そうなると、その場では子供は持ちこたえられるかもし
一生耐えられる精神力の持ち主であれば


それを糧にして逞しくなって
いくのかも知れないけれど





大抵の子は、遅かれ早かれ
心と身体になんらかの不具合が生じてしまう。
これがいわゆる、心の病気と呼ばれるヤツだ。



自分の感情を感じないよう感じないよう
自分を殺して生きていると、精神が参ってしまって
心が折れてしまうのだ。




子供は、両親が大好きですし
両親の反応に対して極めて敏感ですので
親が何を望んでいるか、どういう行動を取ったときに
機嫌よくなるか、ということを必死に学んでいきます。




親に喜んでもらえるなら
自分の感情なんて要らない。
そのくらいの覚悟は平気で持ってしまえるのです。









さて、幼いわが子に感情を抑圧しないで
マイナスの感情を持つ事だって
人間として当たり前なんだよ、
我慢しなくたっていいんだよ、ということを
言葉で正確に伝えることはできないとしても、
雰囲気や子供の反応に対する対応の中で
伝えていくには、どうすればよいのでしょうか。。



それはやっぱり
お父さんお母さんが、子供が泣いたり辛かったりするときに





「つらかったね、よしよし」




という慰め方を、子供が求めてくる限り
根気よく繰り返してあげるということが
重要なのだと思う。



ツライ、寂しい、むかつく、などの感情を
持つこと自体を受け止めてもらえるという体験が
安心感を与えるのだ。




危機にさらされた時に、その感情を自由に吐き出し、
抱きしめてもらうことができると
「怖い、悲しい」という強いネガティブな感情も、
大人の安心安全に包まれることで
安全なものとして捉えることができるようになるのです。