「かわいそうな母」のようにはなりたくない娘たち

当然だけど母は父のことが嫌いであたしが17くらいの時に母が「結婚して一緒に住んだ日に知らない女が押しかけてきた時から25年間ずっと好きじゃない」と言っていたのででも父さんとじゃなかったらあたしとも会えんかったよ?とフォローしたらそんなに会いたくなかったと言われた過去あります




母を反面教師に浮気もの男を愛すようになる娘


上記はある20代後半女性の呟き


どうやら、「浮気する父親」と「それに耐え続ける母親」を観て育った娘は浮気をする父親を嫌いにならないで母親を嫌いになるっぽい。
浮気という社会的に許されない行為を行った父よりも「父が嫌いでも分かれられない惨めな母親のようにはなりたくない」という心理が働いているのかもしれない。














■母は好き。だけどそうなりたくない



社会はまだまだ女性に「選ばれる性」であることを要求しています。

たとえば、専業主婦が夫からの暴力に苦しみ離婚しようと思っても
夫が稼いだものは基本的に夫の財産になっていますから、女性は安定した生活に
独り立ちすることが難しい。

このようなことを指摘すると
「それは極端な例だ。普通の女性は結婚して守られるものだ。 
 たまたま運悪く変な人と結婚してしまった女性を引き合いに出してはいけない」
と言われることもあります。

私は、この一言こそ問題が凝縮されているように思います。
誰と結婚するかによって一生が左右されてしまう、これも女性の「選ばれる性」ゆえでしょう。

これは決して昔の話ではありません。
今でも多くの女性が「たまたま運悪く変な人と結婚してしまったために」
苦しんでいます。









そして、そんな両親のもとで育つ子どもが誰よりも苦しんでいます。

たとえば、夫婦仲が悪いのに仕事を持っていないので離婚できない、
あるいは「離婚すると世間体が悪い」から離婚できない、という夫婦の下に
育つ子どもは、父は母に全く愛情が無い、暴力すら振るう、でも、離婚もしない、
という状況にずっとさらされています。

このような家庭に育った娘は、母親に同情しながらも
母親を軽蔑します。


2章で紹介した過食症の春香さんもこのタイプです。
両親の仲が悪く、父は酒に酔うとよく
母に暴力を振るいます。

春香さんのことは、父親に従順なこときにはほめてくれ、
「母親みたいなくだらない女になるな」などと言います。

春香さんは基本的には母親に同情的で
「親父なんて家に帰ってこなくて良い」と言っています。

自分勝手に母親の事をこきおろし、酔っ払って大声を出す下品な
父親が大嫌いなのですが、だからと言って、
母親を全面的に肯定することも出来ません。

「離婚すればいいのに」と言っても、
「あなたたちがいるから」「世間体があるから」「離婚したら食べていけないから」
などと良いわけをしては離婚しようとせず、
不幸なため息ばかりついている母親は、とても尊敬できないのです。

自分たちさえ生まれていなければ母親はとっくに父親の元を去ることが
できていたでしょうから、「私たちが母の人生を奪ってしまった」という罪悪感を
強く持っています。

母親を今のような「情けない」存在にしてしまったのはほかならぬ自分なのだ…
と考えると、さっさと母親を見捨てて家を出ようという気にもなれないのです。


前に私が摂食障害の患者さんを対象に行った調査では
「子どもの頃両親が仲が悪かった 」と答えた摂食障害患者の女性は
「父親よりも母親の方が好きだった」とした人が圧倒的に多い。

その一方で、
「母親のようにだけはなりたくない」と答えていました。

夫に愛されない女性、それでも離婚できずに夫にしがみつくしかない母親は
1人の女性としてみると情けない、目標とできない、
ということなのです。

このような家庭に育った娘たちは、女性として見本にすべきモデルが
わからなくなります。

母親のように男性に依存した存在にはなりたくない、
自分自身のキャリアをしっかりもちたい、と思う一方で
母親のように男性に捨てられたくない、
男性に愛され続ける女性でいたい、
と思うわけです。


人と人との親密さを外的条件からしか考えることが
できないため、やせて完璧な外見を手にすれば全てが解決するのではないかと
思ったり、誰にも「ノー」と言えないかったり自分の身体の不調を無視しながらも
相手のニーズに応えようとする「スーパーウーマン症候群」になって、
自分の限界を超えてしまい、病気に繋がっていくことにもなります。








■「最高の離婚 第5回」


真木の手を取る綾野。
「アカリさんと結婚したい。これからアカリさんとずっと一緒にいたいと思ってる。」
「・・・・・・」
「時々会ってる女の人がいた。その人に別れ話して紅茶かけられた。
だけどもうそれは終わりで、俺は変わるし変わったし・・・」
ジャストミート!
真木の右手が一閃。
綾野の左頬に張り手直撃。
「ごめん・・・」
力なく詫びる綾野。
婚姻届引ったくって破ろうとする真木。
それを阻止しようとする綾野。
揉み合いになる。
婚姻届は綾野が確保し、
両者、離れて睨み合い。

「結婚しよう!」
「・・・・・・」
「結婚しよう! 結婚して幸せに・・・」
「・・・・・・」

ここは前回の瑛太の「子どもを作ろう!」と同程度の間抜け発言やね。
男はいつも女のメッセージを読み間違える。
そして間違った提案をする。

それはまーともかくとして、
こっからがまた真木よう子の長台詞ですな。

「もう・・・駄目だべなあ。」
「・・・・・・」
「もう駄目。」
「ごめん・・・」
「違う。違うの。私が悪いの。」
「アカリは何も・・・」
「嫌なの!・・・嫌なの!」
「・・・・・・」
「私、こうじゃないの。こういうんじゃない。
リョウさんが知ってる私と違うの。あんたが思ってんのと違う。」
「・・・・・・」
「リョウさん、私が何も気にばしないと思ってた?」
「・・・・・・」
「何も知らないで寝てると思ってた?」
「・・・・・・」
「聞いたこともない? 男が外で他の女ば抱いてる間、女はちゃんと起きてるの。
ゴミ箱のレシートば確かめたり、メールば見たり、洗濯物の匂いば嗅いだりしてる。
女は何も聞かねえ。」
「・・・・・・」
「香水の匂いばつけた男に、近所の奥さんの話ばする。
靴下の裏さ髪の毛ばつけた男に、子どもの学校の話ばする。
男ば嫌がんのわかってる。でも女は止めらんね。
そったら女、嫌だ。
だから私は、ずっと我慢してた。見ないようにしてた。
でも違うの。
ほんとはずっと、ほんとはずっと、あんたが外で他の女ば抱いてる間、
あんたが他の女の脚ば開いてるのを思い浮かべて、あんたの腰さ女の手が回るのを思い浮かべて、
悔しくて恨んでた。罵ってた。
お願いだから、お願いだからもう許してって泣いてた。お母さんみたく。」
「・・・・・・」
「私が学校三年生の時、お母さん私ば連れて、嫌がる私の手引いて、お父さんさ会いに行ったの。
お父さん、知らねえ女の人の膝の上で寝てた。
帰り道、お母さんば私抱きしめて涙ば流して、裏切られたとか騙されたとか言って泣いた。
あの男はこのごろ私に触りもしねえのか。
私の結婚は失敗だったとか不遇だとか、そう言って泣いた。
私それば聞きながら気持ち悪いって思ってた。
何かお母さんのことば惨めな人だと思った。
嫌だった。」
「・・・・・・」
「お父さんのことは少しも嫌いにならなかった。
泣くお母さんのことば嫌いになった。
だから私も、あんたのこと嫌いになる代わりに、自分のことば嫌いになるんだと思う。」
「・・・・・・・」
「ほんとの私はお母さんと同じ人間だから、
嫉妬深くて感情的で、夫ば憎みながらなじりながら、醜くなるんだべなあ。
この男は他の女ば抱いた、あんたの顔を見るたびにそう思ってあんたを許さねえ。
そばにいながら恨んで、同じ家さ住んで、憎んで、生きてく。
私あの女とおんなじ女さなるべ。・・・なるべ。・・・なるの。」
http://blog.livedoor.jp/wazawaza5963/archives/1885557.html