真実の不幸

きみと澄むこと

きみと澄むこと












自分が不幸な女だった、
ということも恋人と出会ってから知ったことだった。



不運は両親の不仲でもなく、
母の再婚相手とうまく暮らせなかったことでもなく、
大学進学を断念したことでもない。



初めての恋人に妻子があったことでも、
次の恋人との子供を堕胎したことでもない。
34歳を迎えるまで、今の恋人と出会えなかったことだ。




結構な年月を、彼を知らずに生きてしまったこと。
少女の頃から、ずっと彼がそばにいてくれたなら、
きっと無傷でいられただろうと言うことが、





私の最大の不運であった








☆☆






あなたに会うまでの道のりは暗くて
町の灯を一人きり、遠くで眺めていた

自分らしさなんて言葉は嫌いだった
生き方の上手な人のセリフだった。