絶対値

憂鬱たち

憂鬱たち










調剤薬局までの道を歩きながら、皆はいいなとすれ違う人々を見ながら思う。
彼らはさぞ幸せだろう。




自分が自分にしか分からない苦悩を抱えているなんて、別に普通の事だと分かっている。
この世に生きている全ての人が自分にしか分からない苦悩を抱えているのだろう。




でも、だから何だっていうんだろう。



私は自分の苦悩だけで精一杯なのだから人の苦悩まで気にする余裕はないし、
苦悩している時に世界一自分がツラいと思うのは当然だ。





苦悩すればするほど、人の気持ちなど考えられなくなるし、自分だけがツライと
思い込むし、周りは敵だと主込む。



人間はどうなのか分からないが、少なくとも私は
そんな器の小さい自分に、心底愛想が尽きる。










☆☆


ツタヤにいっても
スーパーにいっても、
自分で欲しいものが分からない。


自分で何が欲しいのか分からない。


なんで、何も満たされるものが分からないのだろう。