外見と内側の充実

ダイエットして、エステに通って、プチ整形して、
露出度の高い服装をして、
少しでも多くの愛を得ようとする。なのに、あなたの体に興味がありますみたいな言葉だったり
空気を伝えようとすると、モーレツに拒否反応をするのだろう。
外見を磨いた成果として体が求められたら嬉しいのでは。。






もし僕が、整形して脂肪吸引して筋力が上がるクスリを飲んで
顔も身体も一転の曇りも無い完璧な外見を手に入れたとして、
そのことで女性が群がってきたとしたら
それは喜ばしいことだと思う。

それは、そうなるために、自分に術を施した事の努力が
認められたという証だから。






男女の差といってしまえばそれまでだが
外見でアピールして自分を認めてもらうために愛してもらうために
自分を磨いて、そしてその磨いた外見で異性が寄って来たら
それは狙い通りの成功なんじゃないのか、と素朴に思ってしまう。



自分がアピールしたい部分が
認められたのに手放しで喜べないという心理がさっぱりだ。












「先生、私、夫を見ていてつくづく思うんです。男というのは、
どうして自分の醜さを恥じ入る気持ちが希薄なんでしょうか。
醜さなんて、みんなお金でカバーできると思っている。


たとえ相手が自分でなく、
自分の経済力に惹かれていると知っていても男はむしろ、
それを自慢にさえ感じるところがあるじゃないですか。
その無神経さが私には信じられないのです。


いいえ、夫のことはいいんです。
あの人が若い女にうつつを抜かすのはもう慣れていますから。

でも。私はこのまま朽ち果ててゆきたくない。

こうして老いた自分の姿をみていると、
今まで何のために頑張ってきたのかと
虚しさでいっぱいになってしまうのです。



夫の会社を支え、子供も独立して、
やっと自分の時間を持てるようになりました。


それからカルチャー教室に行ったり旅行にいったりしましたが、
どれも私を満たしてはくれませんでした。


私の欲しいものは別にあって、教室も旅行も、
みんな手に入らないものの代わりなんです…


私にも夫と同じ無神経さがあればよかったのかもしれません。
お金さえ払えばどんなに老いた女にもサービスをしてくれる
ある種のサービスくれる男たちがいるのもわかっています。
実際、それを試したこともあります。

でも、だからこそわかったんです。
欲しいものはそういうものじゃないんです。


違うんです。
いい年をして、と笑われるかもしれません…先生、思い切って言います。

私、もう一度、男に愛されたいんです。求められたいんです。」




美容整形はメスを入れるのは顔でも、それが
心につながっている


テティスの逆鱗より)



テティスの逆鱗

テティスの逆鱗