外見と内側の充実
ダイエットして、エステに通って、プチ整形して、
露出度の高い服装をして、
少しでも多くの愛を得ようとする。なのに、あなたの体に興味がありますみたいな言葉だったり
空気を伝えようとすると、モーレツに拒否反応をするのだろう。
外見を磨いた成果として体が求められたら嬉しいのでは。。
もし僕が、整形して脂肪吸引して筋力が上がるクスリを飲んで
顔も身体も一転の曇りも無い完璧な外見を手に入れたとして、
そのことで女性が群がってきたとしたら
それは喜ばしいことだと思う。
それは、そうなるために、自分に術を施した事の努力が
認められたという証だから。
男女の差といってしまえばそれまでだが
外見でアピールして自分を認めてもらうために愛してもらうために
自分を磨いて、そしてその磨いた外見で異性が寄って来たら
それは狙い通りの成功なんじゃないのか、と素朴に思ってしまう。
自分がアピールしたい部分が
認められたのに手放しで喜べないという心理がさっぱりだ。
☆
「先生、私、夫を見ていてつくづく思うんです。男というのは、
どうして自分の醜さを恥じ入る気持ちが希薄なんでしょうか。
醜さなんて、みんなお金でカバーできると思っている。
たとえ相手が自分でなく、
自分の経済力に惹かれていると知っていても男はむしろ、
それを自慢にさえ感じるところがあるじゃないですか。
その無神経さが私には信じられないのです。
いいえ、夫のことはいいんです。
あの人が若い女にうつつを抜かすのはもう慣れていますから。
でも。私はこのまま朽ち果ててゆきたくない。
こうして老いた自分の姿をみていると、
今まで何のために頑張ってきたのかと
虚しさでいっぱいになってしまうのです。
夫の会社を支え、子供も独立して、
やっと自分の時間を持てるようになりました。
それからカルチャー教室に行ったり旅行にいったりしましたが、
どれも私を満たしてはくれませんでした。
私の欲しいものは別にあって、教室も旅行も、
みんな手に入らないものの代わりなんです…
私にも夫と同じ無神経さがあればよかったのかもしれません。
お金さえ払えばどんなに老いた女にもサービスをしてくれる
ある種のサービスくれる男たちがいるのもわかっています。
実際、それを試したこともあります。
でも、だからこそわかったんです。
欲しいものはそういうものじゃないんです。
違うんです。
いい年をして、と笑われるかもしれません…先生、思い切って言います。
私、もう一度、男に愛されたいんです。求められたいんです。」
美容整形はメスを入れるのは顔でも、それが
心につながっている
(テティスの逆鱗より)
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