納得してもらう



優れたプレゼンテクを身につけるためには
どうしても説得力を磨く必要があると考えがちですが
この発想にもちょっとした落とし穴があります。



説得力というと
聞き手を「説き伏せる」つまり

「聞き手がちょっとくらい違うことを思っていてもそれを突破する力」

「相手が思っても見なかったことに無理やり合意させる力」
が必要であるとおもわれがちです。



これはすなわち
考え方を一方的に押し付ける能力が強くなくてはならない
ということ。けれども、本当に上手なプレゼンをする人は

こうした「相手を無理やり押し切る力」に頼ったりしません。

相手を説得するのでなく、「聞き手が自ら納得する」
という状況をうまく形作るようにします。

人に言われたからやるのと、自分で決めたらやるのでは、実行するときにもやる気が違います。これはどんな世界でも同じこと。説得されたら自ら納得していないので”自分ごと”として主体的に取り組むことができないからです。

プランを納得させるうえで最も重要なのは
そのプレゼンテーション自体を、いかにして
聞き手に対して「自分ごと化」させるか、というてんにありあmす。

自分ごととは、それが自分に関係があると思わせること。
「プレゼンを自ら依頼したのだから、そもそも自分ごとに決まっているじゃないか」というのは極めて楽観的な考え方です。実際は目的が曖昧なまま依頼をしたり、はっきりとした問題意識を持たないままプレゼンに出席している聞き手は少なくありません。
こうした状況ではプランの内容よりも出席者全員に
このプレゼンテーションは自分たちに関係あることだ、と思われることが大切になります。

自分が選んだ、という形にするための初歩的な手口は「複数の選択肢を提示して相手に選ばせる」というものがあります。
お勧めの案を一つだけ提示するのではなく、複数の選択肢を提示して相手に選んでもらう形にする、というのは、自分で選んだ、と思ってもらうための、常套手段と言えるでしょう。
ただし、この方法はあまりに調子にのると、本命以外の案を選ばされてしまい、あとで収拾がつかなくなってしまうという事故が起こるので注意しなければなりませんが…

緊張は話し始めるまでが山場

公式の場で人前で話をするときの最大のハードルは緊張してあがってしまうこと。何度も繰り返すように、これさえ克服できればプレゼンは成功したも同然。
問題は、どうやってこの緊張を追いやることができるか。

心の持ちようとかしっかりした準備とかいった、いくつものコツをお話してきましたが、ここでもうひとつ、より具体的なテクニックをお教えしましょう。
それが「最初の1分のやり過ごし方」です。

人前で話をするときに最も緊張をするのは、いったいいつでしょう。

経験された人なら分かると思いますが、言うまでもなく、それは「話し出しの瞬間」です。もしくは「話し出してすぐ」。
不思議なもので話がある程度進んでしまったら、初期の緊張はどこかにいってしまうものなのです。逆に言うと話の広範になって、おもむろに緊張がムクムクとわき起こることはあまりありません。
だとすれと緊張を追いやるコツは話の出だしをどうやって上手くやり過ごすのか、にかかっていることになります。

私の経験では恐らく最初の1分をなんとかクリアすれば、あとは自然とペースがつかめてくるのです。そしてそのときのポイントは
「中身はさておき、とにかく、喋り続けること」につきるのです。

要するに最初の1分は無理をして格好よく話し必要はなく、大きな声を出してしゃべることだけに集中する、ということ。
そのために一番簡単なのは原稿を読み上げること。無理に暗記して話そうとしなくてもいいのです。







プレゼンのプロが教える伝わる技術

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