ちゅうせいど
マーケティングとはつまるところ
消費者に消費するモノを
えり好みさせるためのプロセスだ。
それは複合的なビジネス戦略の一環であるが、
目的そのものは極めて明白だ。
では、マーケティングマネジャーは、
その成功をどうやって推し量るのだろう。
一つの方法は、自社製品を何人の消費者が購入したか、
売り上げデータを確認することだ。
ただし、そのデータは必ずしも消費行動の全貌を描いてはいけない。
私とあなたが同じブランドを買ったからといって、その行動が同じ意味をもっているわけではない。私はどうしても欲しいと思っているのに対し、あなたは惰性で買っているだけかもしれない。
この場合、私はあなたよりもそのブランドに入り込んでいる。
つまり、他者製品に目移りする可能性は低いと言える。
だからこそ、マーケティングマネージャーは、売上データのみならず、公の場での自己表現に注意を払っている。
身につけているものやウェブサイトに載せているもの、友達同士で薦め合っているもの。
ブランドに対する愛着をオープンにしているとき、当人とそのブランドが固い絆で結ばれているのをマーケッターはしっている。
しかもその愛着が「他社が与えてくれない何か」から生じていれば、なおのこと理想的だ。「わたしはブリガムのチョコミントアイスに夢中なの」というコメントは二つの理由で、ブランドロイヤリティをはっきり宣言したものと考えられる。
夢中という言葉からは強い愛着が感じられし、商品名を特定していることから、このカテゴリーについてに知識があり、実際に他社ブランドと比較して選んでいることがあきらかだ。
比較のための知識は、必ずしも客観的でなくてもいいし、合理的である必要すらない。
私の見つけているもの、選んでいるものの使っている根拠は極めて主観的なものだ。
それでかまわない。
彼の選択が、他の選択肢に対する知識に基づいているのは確かだ。
つまり、彼のブランドロイヤリティは、彼にとっての真実である差別化された便益に基づいている。
愛着と、比較のための知識。
二つの要素から選び出されたブランドは、消費者にとってかけがえのないものになる。
これこそ、ブランドマネジャーの望むところだ。
人々はあなたのブランドを愛してくれているだけでなく、
求めるものを与えてくれる唯一のブランドだとか感じているのだから。
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- 作者: ヤンミ・ムン,北川知子
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