文句を言える環境
受け皿が出来ると、訴えは増える
☆
発言できる場所、受けてくれる窓口があれば、訴えが増えるのは
虐待やDV、セクハラパワハラ、うつ病などをみれば分かる。
行政や3セクが相談窓口の門戸を開くことに比例して
虐待やDV、セクハラで困っていると訴える人は増えた。
うつ病も、精神科や心療内科の数が増えるほど、
不調を訴える人が増えた。
こうした訴えが増加しているのは、
被害にあったり問題を抱えている人が増えたからなのだろうか。
もちろん、誰もが不満を抱えている社会では
問題の数そのものが増えているのは間違いないだろうが、
じゃあ昔は、そういうもの今の水準より被害の実数が低かったのかと言えば、
必ずしもそうとはいえないだろう。
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DVを受けたり虐待を受けているであろう子どもをみかけても、
”どこに相談すればいいのだろう…”という事が分からずに、
黙認したり疑問に思っても飲み込んできた人たちがたくさんいるだろう。
会社でのセクハラだって、
きっと訴える場所が無くて泣き寝入りしてきた女性が
たくさんいるだろう。
だから、被害の実数としてはそんなに変わらないはず。
窓口と言う受け皿ができたから、訴える人が多くなる。
訴えによって被害が顕在化してくるから、
「今、虐待やセクハラが増えています!」みたいな、
間違った情報が発信されてしまう。
増えているんじゃなくて、知られて無かっただけ。
誰にも知られないところで被害にあって苦しんだ人たちが沢山いるのだ。
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アイドルの”本音”だって、
ちょっと前までは発言されることはなかった。
文句を言っていることさえも、ファンに伝わることは無かった。
けれども今はソーシャルツールによって、
いとも簡単に自分を表現できてしまう。
ブログやSNSという”受け皿”が出てきたからこそ、
昔のアイドルたちだったら、関係者や近しい人以外には
言わなかった本音を、今のアイドルたちも平気で表現する。
しかも、ファンに向けてダイレクトに改善を要求する。
まさに、人は訴えや意見を受け容れてくれる受け皿が出来ると、
自分の訴えを起そうとする確率が高くなるのだろう。
結果と言うか伝わるかどうかということよりも、
とりあえず自分の訴えをどこかに表現したいと言う欲求は
人間として自然なことなのかもしれない。
☆☆
(引用開始)
大人は冗談だと思って言ったことも、
どう解釈して良いのか?わからないことも多いと思います」
「握手会で大切なのは、どうしたらメンバーから
認知を貰えるかではありません。
何を伝えたらメンバーが笑顔になってくれるか?が一番大切なのです」としている。
余り呼ばれたくないあだ名を100回以上言われたといい、
「嫌がらせバンザーイ」とブログに投稿。
4日のflowerソロイベの握手会であっちゃんに
『イケパラ大コケしたね』と言った奴がいたらしい」
「アイドルだけど人間だから。何でも有りな訳じゃないよ?
何でも笑顔で許せる訳じゃないよ?人と人の交流は気持ちだよね?
それをもう一回考えて欲しい
(引用終了)
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AKB48の皆様が
握手会で、不快な思いをしているとの訴えを
ブログで書いているらしい。
アイドルに求められるものが
虚像から実像に変わった今では
”芸能人”というイメージからを大切にした発言よりも、
一人の人間として率直な感想だったり感情だったりを表現することが
求められているのかもしれない。
まさに「会いに行けるアイドル」として、
ファンとの率直な対話や意見の交換を求めるのは
まさに時代の要請なのかもしれない。
ただ、前提条件が少しズレているというか、
ちょっと世界が暖かい場所だと思いすぎている面があるように思える。
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アイドルや芸能人に限らず、応援してくれる人と同じくらいに
アンチに思っていたり、活躍を良くないものと思っている人だって
残念だけど社会には存在する。
「いつも応援しています!頑張ってください!!」
と、自分の率直な思いを伝える為に握手会に参加する人がいるのならば
「お前らムカつく」
みたいな(気分を悪くすると分かっていても)
自分の感情に正直な感想をぶつけられることくらい、
覚悟しておいて然るべきなのではないだろうか
☆
凄まじい応援者の数と温かいファンを
血ドロを吐く思いをして必死に獲得してきた、という苦労話は
もはや有名な話なのだろうが、それでも、
私達に会いたい人の目的は、
ポジティブなメッセージを届けてくれるだろう!という
ヌルい考えが蔓延しているような気がシテならない。
成功者を妬みヒガみ陥れようとする輩は、
どこの世界にも必ずいるものであって、
そのことについて、ファンにも分かるような形で不満を
ブチまけているのは、なんだか違和感がある。
これも時代の流れなのだろうか。
突き詰めればアイドルの役割は、
どれだけ批判されようと嫌な気分になろうとも、
自分たちの商品を購入して会うための権利を持った人には
笑顔で接することが求められるのではないだろうか。
それを、プロと呼ぶのではないだろうか。
”会いに行ける”というのは、「プロじゃない」という
”誤った近さ”を演出しているものなのだろうか。
☆
とはいえ、アイドルが虚像じゃなくて
実像という等身大の姿を求められている。
そうなると、芸能人としてファンと接するというよりは
個人と個人との交流を楽しんでいる。
だとしたら、人と人が関わる上での最低限のルール。
されて嫌なことをしないとか、相手の気持ちを配慮するとか
そういうものを守ることを双方が求めるのは、
自然な流れなのかもしれない。