明るくなくてもオッケ〜
- 作者: 渡瀬謙
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2010/06/20
- メディア: 単行本
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お客様が「買わない」理由を見つける
お客様はあなたの商品を欲しがっている。
でも、なにかがジャマをしているので買えずにいる。
その何かさえわかれば
対処の方法は考えられるというものだ。
結論から言うと、クロージングとは
どうしようかと悩んでいる相手に対して、
「買わない」理由を探り出し、それを取り除く作業である。
だから強引な説得トークはいらない。
気合を入れて相手を言い負かすことなど考えなくてもいいのだ。
では、そのジャマをしているなにかとは
具体的なんなのだろう?
「お客様の頭の中のことなんて、聴いてみなくちゃわからないよ」
という声が聞こえてきそうだ。
でも営業マンであるあなたには
その「なにか」がわかっている。
それは、あなたの商品のデメリットだ。
お客様に断られる理由と言うのは
その商品によってだいたい決まっている。
「ものはいいんだけど、値段が高いから」
「機能的には問題ないけれど、安定性が心配で」
など、何度か断られれていれば
あなたの商品のどのポイントがデメリットになっているかは
もうすでに知っているはず。
ある程度の予測は立てられることになる。
そして、ここまでのヒアリングや商品説明を通して
相手の反応を見れば、どの点が障壁になっているかはわかるものだ。
たとえば、値段が高いということがあなたの商品の障壁なら
それを取り除く作業(クロージング)をするだけで、売れる。
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商品説明をひととおり終えたのが、お客様は悩んでいる。
よし、ここでクロージングだとばかりに張り切って、商品のメリットを連射する営業マンをよくみかける。
「今ならキャンペーン中!」「5年保証なので安心ですよ」
などなど。
でもこのようなトークでは、お客様はなかなかイエスと言ってくれない。
相手が迷っているときに、最も効果的な情報はなんだろうか?
前にも述べたが、迷ったり悩んだりしているお客様というのは、すでに商品の特徴を理解していて、それを欲しいと思っている。
でもなんらかのデメリットが気になって決断できない状態だ。
そんな相手に対して、さらにメリット情報を上乗せしてみても、デメリットがある限り「YES」にはならない。
これは多くの営業マンに言えることだが、クロージング用のトークとして、メリット上乗せ型を中心に練習している傾向がある。
それよりも、デメリットの存在を伝えて、それを了承してもらうトークをする。
お客様が決断する決め手は、デメリットに納得できるかどうかにかかっているのだから。
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