マーケ入門ならこれ!
- 作者: 岸田雅裕
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/02/24
- メディア: 単行本
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日本の多くのマーケティングは
若者が消費の主役だという前提に立って調査分析してきた。
もちろん、時には団塊の世代が
大量にリタイヤするからそこに合わせる
というようなことも行われることもありますが
多くの消費財において基本的なマーケッターの考え方は
若い人たちに合わせてマーケティングを行ってきました。
実は若い人の消費が全体の消費を牽引していく国
と言うのは、あまり多くありません。
そういう意味では
若い人の消費が全体を牽引する構造を
前提としてマーケティングをしてきたこと事態が
特殊だったのだと思ったほうがいいのではないでしょうか。
日本はもう若い人が消費の牽引をしない時代に移ったと考えたほうがいい。
では、なぜ若者が消費意欲を刺激されないのでしょうか。
それには色々な理由があるでしょう。
生まれた頃からあらゆるモノが身の回りにあるから新しいものは特に欲しくないとか、正体が不安だからできるだけお金を使わず貯金をするようにしているとか。
私の考えは「いまよりいいものをつくれば売れる」という考えの前提にある「よりいいもの」の意味合いが変わってきていて「高いスペック」イコール「よりいいもの」では、もう若い人には通用しないのではないかというものです。
いままでのマーケッターは製品はどんどん進化していくもので、進化した最先端のものでないと受けないと思っています。
しかし実はその考え方が時代遅れなのではないでしょうか。
若い人たちの生活を楽しませるものが出てくれば、低スペックであっても「いいもの」として認知され売れています。
40代以上の世代は、携帯電話がなかったところへ携帯電話ができて、大きなベネフィットを得ました。でもいまの子ども達は塾通いのために小さな頃から携帯電話を持たされています。
それに機能がすこしくらい追加されたとしても、所詮は携帯電話です。
つまり、進化したと思っているのは自分達だけで、いまの子どもや若い人からすれば、進化しているとは思っていないのではないでしょうか…。
「いいもの」が一定方向に共有されていたのが、いまは個々人の価値観によって差異が大きくなってということかもしれません。